碇だよ('ロ')

YOKOHAMA生まれインターネット育ち

気遣い上手というスキルのこと

WEBサービスの機能を考えるのも今の仕事のうちのひとつなんだけれど、いちばん面白くて難しいのが「どんなものを相手の目の前に置くと、目的の行動を取ってくれるのか」を考えることだと思ってる。猿の眼前に紐でバナナを釣って、踏み台と棒を置いて、さて。みたいなやつ。

 

PCやスマホの中に踏み台やら棒やら置くことが自分の仕事では多くて、それに加えて今の会社は自分よりも若い同僚がたくさんいるので、彼らがなにか壁に当たってるのを見つけたとき、何かを置きに行くこともある。自分が過去に当たって乗り越えたことがある壁なら、どんなものを置いてあげたらいいかなんとなくわかるし、あとはワンタッチで置くだけ簡単、うまく壁を越えられたのをみると本当に嬉しい気持ちになる。

 

一方でわたし自身が乗り越えられてない壁もまだまだたくさんある。30過ぎてなんともならなかったことって「治すぞ!!」という気持ちだけで根本的な解消をみることは多分なくて、迂回をするように、機械的な解決策で乗り越えていくのがよいと思ってるんだけど、そういう解決策を自ら発見するのは難しい。わたしの場合は夫や上司や察しのいい同僚がそういうの気づかせてくれるのでほんとにありがたいなと思う。

 

さっき置くだけ簡単とか言ったけど、わたしは婉曲なコミュニケーションの技能に欠けているので、基本的に直接「こうするとよい!」と言う以外のことがあんまりできない。脳筋です。前回だかの記事に「日光浴のやり方を教えるんじゃなく公園に連れて行け」と書いたけど、この話はこういう「望む結果を起こすために、何を相手にもたらすべきか」というのを、直接言う以外の形で提案するとしたら、を、自分で見出せた手応えのある、数少ない例のひとつだったりする。まだ試してないけど。

 

もういい歳なので、お前それマズイやろ、と注意してくれる人は今後どんどん少なくなっていく気がしている。歳下から歳上にダメ出しするのって難しいものだ。歳がいってる人によかれと思ってアドバイスしたら「百も承知なのにこんなこと言ってくるなんて失礼」とか「プライド傷つくわ」とか思われるリスクもあるし、今挙げた年齢の例以外でも、直接伝えるのが得策ではない、難しい局面はいろいろある。

 

でもそういうのをうまく交わして公園に誘っていくための上手なスキルというのがあって、それはとても高度な能力だと思う。UI/UXデザインと本質的には同じことをやっているんだけど、もう一捻り必要なんだよね。

 

わたしのメンターのひとりの、本の勧め方がとても上手だったのを見て、そんなことを考えた。

 

今まで自分がそういうの上手にできないことを結構コンプレックスに感じてて、その気持ちにドライブされて書きはじめたんだけど、書いてるうちに、まあこれもやり方を知って真似していくとか、UI/UXデザインと同じように構造を考察しながら研究していけば、出来るようになるのかも、今日からがんばろうって思えたのでよかったよかった。

 

今日のお昼は野菜たっぷりカレー🍛

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