人間機械未来系惑星直列水瓶座前陣速攻討論会を聴講してきたメモ #JILS
現地参加に当選したので行ってきた。
自分は頭の回転も遅いし文章を書くのも遅くて、稚拙なまとめで恥ずかしいけれど、少しでもスピーディーにoutputを出しておくことに重きを置いて、ブログエントリをシュッと書くことにした。 自分用メモなので講演の全体感を掴む役には立たないと思いますけども、いち聴講者の視点をお知りになりたい方はこのままどうぞ。
全体的な感想
いろいろな示唆をいただいて、楽しい1日を過ごさせていただくことが出来た。無料でこれだけの知性に触れられたのは本当にとんでもないことで、集まられた登壇者のみなさまと主催・スポンサー企業様に大感謝という感じです。
しばらくVR界隈から離れている間に諸先生方のfocusしているテーマにも変化があり、ニコニコ学会で猫耳つけて喋っていたのを聞いて以来だった落合先生の講義も聞けたし、これまで触れて来なかった観点から刺激を受けることもできて、とても満足感があった
石井先生が希望されていた「知的スピンをかけて意表をつく返しを」という点においては、聴衆として全く及ばず。聞いて理解するので精一杯だった😅自分が解いている問題とそれを取り巻く視点に意識的であること、その立ち位置に基いて相手にどんな刺激を与えれば意味あるコラボレーションになるのかを瞬時に判断して繰り出すには、まずその必要性に自覚的であることとそのための訓練が必要っす。壁打ち100回・素振り1000回すなあ。
【前陣速攻】どんなボールを打ち込まれても、バウンドしたボールが頂点に達する前に、意表をつくメタファー・スピンをかけて、新鮮なコースにボールを打ち返す。知の格闘技としての前陣速攻ラリー。https://t.co/8KTzF9MxFE https://t.co/72MiKbfUD9
— Hiroshi Ishii 石井裕 (@ishii_mit) November 5, 2015
考えたこと
会場ではインプットするので精一杯だったので、全体振り返って考えたことをざっと書いておく
Evernote上野さんの言っていた「身体性をなくす技術」と「一体感」「没入感」について、これはオンラインでの「祭」の話をしているんだと自分は解釈してて、例えば「バルス」ってツイートしているときに、発言者は「自分の人格を宿した言葉を発する」という意図って持ってなくて、「大量の「バルス」が場にもたらされる現象」を意図して加担するという感じだと思う。このあえて「人格をもたない」ことで楽しむこと・その危うい感じって、暦本先生のHuman Uber Surrogate Roleplayingで「自由意志を棄てるのが楽しい」ことともリンクするんじゃないのかの。
「私」とは自分が直接制御できる部分の総和はすごく示唆に富むフレーズで、構造的・技術的な観点とは全く別の軸として、第3者から見て「その領域は自己ではなく他者でしょ」と言われるであろうところまで自己が拡張しちゃう話とも関連付けて考えられるのかなと思った。具体的には親が子の行動を制限するとか、「膜」の話とか(元ネタとなっている論は痴漢自身の当事者談ではなく他者による推測なので信ぴょう性はよくわからないけど、面白い視点だったのでよく覚えてる)。
自分自身をネットの海に放つことについては学部時代から(@_anohitoを知ってから)ずっと考えてるけど、発言を記録し再生するbotや今書いてるブログのようにinputをoutputに変えた結果を記録しておくことが今すぐに出来る活動で、ここから歩を進めるには、UEI清水さんが踏み込もうとしてる「思考プロセス」の部分の観察と、それをモデル化してプログラムすること(でも稲見先生と上野さんが話してたけど記憶は他人ありきで成立してるかもしれなくてモデルにできんのかコレという感ある)が必要で。プログラムされた人格が、あるインプットから「本人らしい」アウトプットを出せるようになること、そしてさらに永続的に他者と「対話=情報をインプットされてアウトプットする」する機会が与えられること(Twitterがいつまでもあると思うなよ!という。w)、までいったら完成なのかな!と改めて思った。
UEI清水さんがサラッと言ってた人工知能は強化学習出来るって話きいて、「人工知能ここまで来ててヤバイ」っていうのが話されてるらしいニコ生アーカイブがあるって夫に聞いたんだけどまだ観てなかったのを思い出したので観ようと思ったらURLが見当たらない。
及川さんが触れてたAutonomy & bot for Society の話は、ChatOpsで既に体感して日常の延長にある概念だし、なるほど開発業務外にもこれは拡げていけるし積極的に提言していきたいなとポジティブな気持ちになれてよかった
印象に残ったキーワードや概念のメモ
取り急ぎ本業(エンタメ/オンラインコミュニティ)と近い部分に限定して。書いてないとこだと、特に暦本先生と落合くんの話が面白かった。
人類が道具を発明したのではなく、道具が人類を発明したのである*1
- 暦本先生がA.C.クラークの未来のプロフィル(「充分に発達した技術は魔法と区別できない」で有名な本)から引用
暦本: 人間単体より、人工知能単体より、両者の組み合わせが強い。
— Nobi Hayashi 林信行 (@nobi) January 31, 2016
エンゲルバート、マクルーハンも人間を拡張する大事さ説いた。
人類が道具を発明したのではなく、道具が人類を発明した。#JILS pic.twitter.com/WbgG1Lx8xd
- 暦本先生がA.C.クラークの未来のプロフィル(「充分に発達した技術は魔法と区別できない」で有名な本)から引用
UBERのように時間限定で人間の体を自分の義体として使う研究
- 顔にiPad貼っただけでその人と話してる感覚が充分持てる。存在感は結構簡単にtweakできるのでは。
- surrogateするのが結構面白い。自由意志を棄てるのが意外と楽しいという発見。
シャノン界面とウィーナー界面による4象限の話
- 情報と物理の界面:シャノン界面
- 制御できるものと制御出来ないものの界面:ウィーナー界面
- 直接制御できるものを上手く使い制御出来ないものを観察して目的を果たす=サイバネティクス。蒸気船ではなく帆船。
- 人類(we)が制御できるものの界面 → 自分(I)が制御できる世界とそうでない世界、と視点を変えてみる
- 「私」とは自分が直接制御できる部分の総和 by ダニエル・デネット
- 「自分」とuncontrolableなものの界面=ATフィールド
- ふたつの界面で4象限にわけてその間を考えると人間-機械系がうまく説明付きそう
- 内蔵は自分の身体でuncontrollableだけど情動はcontrollable(第3象限)
- ヴァーチャル世界での自分のアバター(第2象限)
- SNS上で自分が制御出来ない社会の部分(第1象限)
シャノン界面とウィーナー界面 #jils pic.twitter.com/2WdvtleW6I
— 湯村 翼@2/7おうちハック発表会 (@yumu19) January 31, 2016
"生きている情報"と"死んでいる情報"の明確な差
Augmented Intelligence
- 人の記憶を助ける
- 情報蓄積(記録)は記憶になり得るのか?アイデンティティはどこにどう関わるのか?
身体性を拡張する技術がある一方でを身体性を失う情報技術がある
- 後者はネット上のコミュニケーションにおいて「一体感」「没入感」を生む
記憶(情報)が死ぬと身体は死ぬのか?
- ガン宣告されて死んじゃった人が切ってみたらガンじゃなかった
20世紀は情報の時代、21世紀は思考・クリエイティビティの時代
- 浮かんでは消えるアイディアを書く。書いたものを見て脳にフィードバックする。新しい発見を得る。思考プロセスを人に説明することでこのプロセス全体に関心の対象が拡がる。人に見せて確認。プロセスを共有。その結果として生まれるのが情報。これだけをありがたがっていたのが20世紀
- 21世紀は関心が思考プロセス全体に及ぶはず
- 情報は扱いやすかった。情報しかコンピュータからは見えなかった
- しかし人間がキーボードを叩くとき、思考のプロセスはすでに終わっている
- 思考プロセスは「手描き」に宿る
- アイディアの醸成段階である”手描き’により踏み込むことで思考プロセスの支援がしたい→enchantMoon
- 浮かんでは消えるアイディアを書く。書いたものを見て脳にフィードバックする。新しい発見を得る。思考プロセスを人に説明することでこのプロセス全体に関心の対象が拡がる。人に見せて確認。プロセスを共有。その結果として生まれるのが情報。これだけをありがたがっていたのが20世紀
- 認知は入力xに対してyという記号化をするんだとすると、そのもっと前の段階に注目するべき
動画アーカイブ
参加者向けメールでは「今回申し込んだ方限定でのライブストリーミング」と書いてあってリンクも限定公開になっているんだけど、石井先生が「どなたでも!」と仰って公開されていたので、貼ってみる。 ダメだったら教えてください >CodeIQご担当者さま。
Japan Innovation Leaders Summit
*1:このあと続くARの話のマクラとしても適していたし、自分自身がインターネットと各種アプリケーションによって拡張された・現在も拡張されている自覚があるので、好きな言葉に加わった